2026年6月3日(水)
海の京都DMOのJesse Efronさんと『なごみ庵』にて旅行会社に向けたインスペクションを行いました。
「ごちそう」だけではない、農家の暮らしに会いに行く場所

専業農家のおかみさん・菅野ちゑさんが、農業好きの友人・高橋三枝子さんと二人三脚で始めた「なごみ庵」。
農機具小屋を改装した店内には囲炉裏があり、昔の農家を思わせる道具や器などが大切に残されています。地元の旬の食材を使った料理だけでなく、そこに暮らす人との会話や、ゆっくり流れる時間そのものを楽しめる場所です。
この日も、趣のある玄関を開けると、
「雨の中、よくござったなっし」
と、あたたかな山形弁で迎えてくださいました。
その一言だけで、どこか懐かしいような気持ちになります。
「食べる」前から始まっている、なごみ庵の時間

店内に入り、まず目に入るのは、木のぬくもりと昔ながらの道具たち。
そして中央には、なごみ庵の象徴ともいえる囲炉裏があります。
食事をするための場所でありながら、ここでは囲炉裏を囲んでお茶を飲んだり、昔話に花を咲かせたりと、人が自然に集まり会話が生まれる空間になっています。

今回も、ちゑさんと高橋さんが笑顔で食事の準備を進めてくださいました。

色とりどりの小鉢やおかずが、ひとつ、またひとつと並んでいきます。
料理が出来上がっていく様子を眺めている時間も、なごみ庵では食事の一部なのかもしれません。
目の前に並ぶ、長井の「今」と「昔」

配膳が終わると、ちゑさんから一品ずつ料理の説明をしていただきました。
この日の御膳には、
・菊芋の葉やこんにゃくの天ぷら
・おから、米粉、そば粉に行者菜を加えた練り物の天ぷら
・お麩のから揚げ
・黒大豆おからの春巻き
・ウコギの胡麻和え
・おかひじきとアスパラの冷や汁
・馬のかみしめのきな粉を使った味噌揚げ
・はつか大根の二五八漬け
・ワラビと油揚げの味噌汁
・つや姫のごはん
など、山形・長井らしい食材を使った料理が並びました。
なかでも印象的だったのが、お肉を使わずに仕上げたお麩のから揚げ。
ひと口食べると驚くほどジューシーで、「これがお肉じゃないの?」と思うほど。
野菜や大豆、お麩など、それぞれの素材を生かしながら、昔ながらの料理の知恵と工夫が詰め込まれています。
なごみ庵では、自家製の野菜をはじめ、地元・長井の旬の食材を使った郷土料理や創作料理が提供されています。
ただ「地元食材を使っています」と言葉で説明するのではなく、実際に食卓に並んだ料理を一つずつ味わいながら、その土地の食文化を知ることができる。
それも、農家れすとらんだからこその魅力だと感じました。

「冷めないうちに、どうぞ」
と声をかけていただき、食卓を囲みながら、料理を味わいつつ意見交換を行いました。
料理の話から、長井の農業や食文化、そしてこれからの観光について。
食事をしながら話していると、会議室で向き合うのとは少し違った、自然な会話が生まれてきます。
なごみ庵の魅力は、料理そのものだけではありません。
料理をつくる人がいて、その人の暮らしがあり、その土地で採れたものが食卓に並ぶ。
そして、その食卓を訪れた人も一緒になって時間を過ごす。
「食」を入口にして、人と地域がつながっていく。
そんな場所なのだと思います。
「食事」から「体験」へ

なごみ庵では、食事だけでなく、農業や田舎暮らしに触れる体験も行われています。
これまでにも、畑での野菜収穫や漬物づくり、味噌づくり、籠づくり、米粉ピザづくりなど、参加者の希望をきっかけにさまざまな体験が生まれてきました。
現在、やまがたアルカディア観光局で造成している「山形のばあちゃんと囲炉裏でお茶を飲み郷土料理を一緒に作る旅」も、その魅力を活かした体験プログラムのひとつ。
このプランでは、何か特別なアクティビティをこなすことが目的ではありません。
ちゑさんとお茶を飲みながら話をして、一緒にごはんの支度をして、最後は囲炉裏を囲んで食事をする。
まるで山形のおばあちゃんの家に遊びに来たような時間を過ごしてもらうことが、この旅の大きな魅力です。
「観光地」ではなく、「誰かの暮らし」に会いに行く

今回のインスペクションを通して改めて感じたのは、なごみ庵には、一般的な観光施設とは少し違う魅力があるということです。
有名な観光スポットを見に行く。
名物料理を食べに行く。
もちろん、それも旅の楽しみです。
けれど、なごみ庵で過ごす時間は、
「山形の人と一緒にごはんを作る」
「農家の食卓を囲む」
「囲炉裏のそばでお茶を飲みながら話す」
という、地域の日常に少しだけ入り込むような体験です。
そこには、ガイドブックの写真だけでは伝わらない、声や香り、味、温度、そして人との会話があります。
それこそが、これからの地域の旅において大切な「その土地でしかできない体験」なのではないかと思います。
今回の訪問では、現在の体験プランのブラッシュアップや、今後の旅行商品の可能性についても、さまざまな意見交換を行うことができました。
これからも、なごみ庵で大切にされてきた「食」と「農」、そして「人とのつながり」を生かしながら、長井でしか味わえない旅をつくっていければと思います。
やまがたアルカディア観光局ではこちらのツアーを受け付けております。
お食事はもちろん忙しい日常から離れ緒にごはんだしをして、囲炉裏端でお茶のみのんびり過ごす旅。
▼詳細・お申込みはこちらから
山形のばあちゃんと囲炉裏でお茶を飲み郷土料理を一緒に作る旅
■農家れすとらん なごみ庵
TEL:0238-84-7822
※完全予約制
〒993-0075
山形県長井市成田1445
















