2026年6月4日(木)
海の京都DMOのJesse Efronさんと『山形座 瀧波 YAMAGATA THE TAKINAMI』に伺い、旅行会社に向けたインスペクションを行いました。
今回は休館日に特別に館内を案内していただき、ジェネラルマネージャーの須藤さんから、建物の歴史や客室、食、温泉に至るまで、瀧波の魅力を詳しくご紹介いただきました。

歴史を受け継ぎ、現代へ

まず目を引くのが、歴史を感じさせる重厚な門構え。
館内へ足を踏み入れると、古き良き日本建築の趣を残しながらも、現代の滞在スタイルに合わせて整えられた、凛とした空間が広がります。

この建物は、先代の時代に一度解体し、この地へ運んで組み直すという形で移築されたもの。
かつては畳や敷布団を中心とした、伝統的な日本旅館のスタイルでしたが、時代とともに変化する宿泊ニーズに応えるため、フローリングの開放的なエントランスやベッドを取り入れるなど、建物の魅力を残しながら新たな滞在の形へと生まれ変わっています。

重厚感のある柱、白壁、そして視線が上へ抜けていく開放的な天井。
一方で、ところどころに畳を残すことで、かつての宿の面影もしっかりと感じることができます。
古いものをそのまま残すのではなく、受け継ぐものと新しく取り入れるものを丁寧に組み合わせる。
そんな瀧波ならではの空間づくりが印象的でした。
食と空間を楽しむ「ukitomam」

館内を進み、レストラン「ukitomam」へ。
ミシュランにも選ばれたこちらのレストランでは、「今だけの旬と香りが生きた、素材の味に忠実な料理」を楽しむことができます。
レストランへ向かう道中にも、照明や壁面、ディスプレイなど細やかな演出が施され、食事の時間へと自然に気持ちを導いてくれるような空間となっています。

店内は赤系の漆喰模様を取り入れた壁面が印象的で、明るさと落ち着きを兼ね備えた空間。
料理だけでなく、そこへ至るまでの時間も含めてひとつの体験として楽しめるよう、細部まで設計されています。
それぞれに物語を持つ客室

客室も、それぞれ異なるコンセプトで設えられています。
米蔵をリノベーションした完全離れの「KURA」。
木造小学校の趣を残しながら、現代的な滞在空間へと仕立てられた「SAKURA」。
そして、天童木工の家具や山形にゆかりのある作家の工芸品などを配した「YAMAGATA」。
どの客室にも、その場所や山形とのつながりを感じられるストーリーがあり、滞在そのものが地域の文化に触れる時間となっています。

窓の外には、四季の移ろいを感じられる風情ある庭園。
各客室から庭を眺められる一方で、それぞれの客室からは他の客室が見えにくいよう配慮されており、景観とプライバシーが両立された設計になっています。

温泉は赤湯の源泉を使用。
露天風呂には蔵王石の天然石を使用した湯舟が設えられており、天然石の特性によって保温効果が期待できるそうです。
客室ごとに異なる趣を持ちながらも、随所に山形の素材や文化、ものづくりを感じられる設えが施されていました。
OSTERIA SINCERITA(オステリアシンチェリータ)

この日はさらに、「OSTERIA SINCERITA(オステリアシンチェリータ)」も特別にご案内いただきました。

こちらは、ミシュランにも選ばれたイタリア料理を楽しめるレストラン「SINCERITA」と、メゾネットタイプの客室「ALBA(アルバ)」「MONTE(モンテ)」「GRANO(グラーノ)」からなる、静かに佇む特別な空間です。

客室はそれぞれ、絵画作品からインスピレーションを得た配色で家具やインテリアがコーディネートされています。
「ALBA」では、福王寺法林先生の作品「早暁 霊山」を中心に、秋を思わせる色彩で空間全体が構成されています。
床材には無垢材を使用し、表面に滑らかな凹凸を施すことで、歩いたときの足裏の感触まで心地よく感じられる仕上がりに。

家具や小物、素材の選び方に至るまで、一つひとつに意図が感じられ、空間全体に統一された世界観がつくられています。

そして、こちらには貸切で利用できる蔵王石の岩風呂も。
「瞑想」をテーマにした静かな空間で、日常から離れ、ゆっくりと自分自身と向き合う時間を過ごすことができます。
地域の魅力を「滞在」で伝える

今回のインスペクションを通して感じたのは、山形座 瀧波が単に「泊まる場所」ではなく、建物、食、温泉、家具、工芸、庭園など、さまざまな要素を通して山形の魅力を感じることのできる滞在そのものを大切にしているということ。
歴史ある建物を受け継ぎながら、現代の感性を取り入れる。
山形の素材や文化を空間の随所に取り入れながら、訪れる人に心地よい時間を提供する。
旅行会社の皆さまに地域の宿泊施設をご紹介するうえでも、実際にその空間を歩き、設えや背景にあるストーリーを知ることは、とても大切な機会となりました。
今回ご案内いただいた須藤さんをはじめ、関係者の皆さま、貴重な機会をありがとうございました。
■山形座 瀧波 YAMAGATA THE TAKINAMI
〒999-2211
山形県南陽市赤湯3005
TEL : 0238-43-6111
https://yamagata-the-takinami.com/
■OSTERIA SINCERITA
〒999-2211
山形県南陽市赤湯3005
TEL : 0238-43-6111
















