農業も観光も食育も 企業・行政・学校を 笑顔でつないでいく

置賜地域のきれいな水と食を
未来の子供たちへつなぐという付加価値

(一社)やまがたアルカディア観光局 
戦略会議委員 佐藤 拓也

やまがたアルカディア観光局(以下アルカディア観光局)では、アルカディア地域にある絶景ポイントでサウナを楽しみ、置賜の魅力を感じる「サウナ部」の活動を展開しています。アーティストと酒造がコラボレーションする〈OMIKI PROJECT〉の発起人でもある、佐藤拓也氏にお話を伺いました。

-〈OMIKI PROJECT〉はどのように生まれたのでしょうか?

海外からアーティストが山形に遊びに来たときに、日本酒を飲んでいたら「一緒に作りたい」と言ってくれたのが始まりです。知り合いや酒造に相談したところ、アルカディア観光局のお土産企画に発展し、コラボレーションが実現しました。アーティストは置賜地域のお酒や蕎麦、温泉も大好きだと言ってくれていて、おいしい水、豊かな自然から置賜の魅力が生まれているなぁと気づきましたね。
ちょうどその頃、長井市の縄文そばの館で、食材や調味料、食器まですべて手作りで自給率100パーセントのそばを目指そうという試みも動き出していました。サウナ部もそうですが、今思えば「水」をキーワードにストーリーを紡ぐことでつながるご縁が多かったです。

-サウナ部は、置賜地域の美しい自然の中でサウナを楽しむ人気イベントとなっていますね。

長井市では縄文古代の丘で遅咲きの桜を楽しみながら、バーベキューとサウナ。小国町では玉川の清流を天然の水風呂にして、野菜やキノコの石窯ピザも味わいました。渓流釣りや満天の星空が望める飯豊町、とろみのある黒鴨温泉と、おいしいコーヒーとパンケーキを楽しめる353kurogamoを会場にした白鷹町でのサウナもよかったですね。南陽市では雲海サウナができたらいいなと思っているところです。
サウナ部でサウナを楽しむ時は、農家さんが丹精込めて作ったけれども規格外となってしまった、弾かれフルーツを使ったビネガーやシロップも提供しています。全国の大手企業などが加盟するJSA(※)を通したワーケーションや社員研修なども動いていて、置賜地域のきれいな景観と清らかな水を味わい、健康になりながら地域のフードロスを削減していけたらと考えています。
※JAPAN SAUNA-BU ALLIANCE
サウナを通じて企業の出会いとビジネスの創出をコンセプトとする企業連合

-様々な企画を立てる上で大切にしていることは何ですか?

一番は周囲の人たちが笑顔でいられること。置賜の豊かな自然、食、きれいな水を未来の子供たちにつないでいきたいです。これからの時代は、美味しい、キレイ、健康、コスパ…という自己満足だけの価値観だけではなく、そこでしか味わえない消費の仕方や体験をすることが、地域の社会課題の解決や人々のしあわせ、子どもたちの未来につながると考えています。これからも新しい付加価値を地域の人々と楽しく共有、共創していきたいです。

PROFILE

佐藤 拓也(さとう たくや)

山形県長井市出身。縄文そばの館ではデザインを、サウナ部では企画を担当。楽しさを優先する「遊び」のある企画はさまざまな人や企業を惹きつけている。現在、アルカディアマウンテンリゾートD.I.Yプロジェクト等が進行中。