2026年10月8日(木)
インバウンド向けコンテンツの磨き上げ|専門家と考える、長井ならではの体験の魅力
今回は、JTB仙台支店による専門家派遣事業の一環として、インバウンド向け観光コンテンツの磨き上げを行いました。
当日は、JTBの皆さまをはじめ、インバウンド分野の専門家、仙台観光国際協会、仙台市文化観光局の皆さまとともに、長井市の「農家れすとらん なごみ庵」と「けん玉ひろばSPIKe」を訪問。
それぞれの施設で実際に体験をしながら、海外から訪れる旅行者にとっての魅力や、受け入れの際に考えられる課題などについて意見交換を行いました。
すでに提供している体験を、どのように伝え、より楽しんでもらえるものにしていくのか。現場での体験を通して、地域の観光コンテンツを改めて見つめ直す機会となりました。
農家れすとらん なごみ庵
農家の暮らしに触れる体験を、より参加しやすく

最初に訪れたのは、インバウンドのお客様やFAMツアーでもおなじみの「農家れすとらん なごみ庵」です。
なごみ庵では、地域のお母さんたちがつくる郷土料理を味わうだけでなく、農家の暮らしや食文化に触れられる体験を提供しています。
一方で、ツアーによって訪問できる時間はさまざまです。限られた時間の中で、どこまで体験していただくのか、どんなお話を伝えるのか。受け入れのたびに内容を調整する必要があることも、今後に向けた課題のひとつです。
そこで今回は、専門家の皆さまにも実際に体験していただきながら、内容や進め方について意見を交わしました。
畑での収穫体験と、枝豆の選別

まずは畑へ出て、収穫体験からスタート。
この日はナスや南蛮、ピーマンなどを収穫しました。
無農薬の畑なのでもぎたてを食べながら収穫!

続いて、枝豆の選別も体験しました。
地域で育った作物に触れ、自分の手で収穫し、その後の作業も体験する。普段の生活ではなかなか味わえない、農家の仕事の一端に触れる時間です。
こうした体験は、作業そのものを楽しむだけでなく、食卓に並ぶ料理がどのように生まれるのかを知るきっかけにもなります。
(選別した枝豆は高橋さんに茹でていただき昼食の際に出していただきました。)
海外からのお客様にとって、地域の農家で過ごす時間は、日本の食文化や暮らしを知る貴重な機会になるはずです。
実際に体験してみることで、どの作業が分かりやすいのか、どのような説明があると楽しみやすいのかなど、提供する側だけでは気づきにくい視点も見えてきます。

選別の後は置賜地方特有のウコギを見学。仙台の方々も初めて見る光景に興味深々でした。
特別に見せていただいた、ちゑさんの秘密基地!

体験の後には、特別にちゑさんの「秘密基地」も見学させていただきました。
そこには、地域の方々が協力してつくってくれたというピザ窯や台があり、本格的なピザも焼けるそうです。

地域の人たちの手によって少しずつ形づくられた場所には、設備だけでは表せない魅力があります。
誰かがつくってくれたもの、地域の人たちと一緒に育ててきた場所。そうした背景も含めて伝えることで、体験は単なるアクティビティから、地域の人とのつながりを感じられる時間へと広がっていきます。
今後、こうした場所や体験をどのようにツアーに取り入れていけるのか。新たな可能性を感じる見学となりました。
なごみ膳を囲み、ちゑさんのお話を聞く

畑での体験と見学を終えた後は、お待ちかねの「なごみ膳」をいただきました。
地域の食材や郷土料理を味わいながら、食事の最後にはデザートのアイスも。

食事を楽しんだ後は、ちゑさんのお話を伺い、体験内容や受け入れについて意見交換を行いました。
なごみ庵の魅力は、料理のおいしさだけではありません。農家の暮らしや地域の食文化、そこに暮らす人との出会いも含めて、ひとつの体験になっています。
限られた時間の中でも、その魅力をしっかり感じてもらうためには、何を体験してもらい、どんな話を伝えるのかを整理することが大切です。
今回のように、実際に体験する側の視点から意見を出し合うことで、今ある魅力を生かしながら、より受け入れやすい内容へと改善していくヒントが得られました。
けん玉ひろばSPIKe
けん玉の歴史と楽しさを、体験を通して伝える

続いて訪れたのは、長井市の「けん玉ひろばSPIKe」です。
今回は、SPIKeの管理人であり、地域おこし協力隊としても活動するリンドンさんと鏡堂さんにご案内いただきました。
長井市はけん玉の生産が盛んな「けん玉のまち」。けん玉は、長井のものづくりや地域の活動とも深く結びついています。
今回の訪問では、けん玉の歴史についてリンドンさんから説明を受けた後、実際にけん玉を体験しました。
まずは挑戦!けん玉体験と検定

けん玉の技は、見ていると簡単そうに感じても、実際にやってみるとなかなか思うようにはいきません。
参加者の皆さんも最初は苦戦しながら、少しずつコツをつかんでいきます。

その後は、けん玉検定にも挑戦。見事に6級まで合格した方もいらっしゃいました!
技が決まったときの達成感や、周りから自然と生まれる応援の声。けん玉は、初めて挑戦する人同士でも一緒に盛り上がれる体験です。
さらに、リンドンさんと鏡堂さんによる20連けん玉の披露もあり、技の難しさや、複数のけん玉を使ったパフォーマンスの迫力を間近で感じることができました。
「けん玉をする」だけではない、長井ならではの体験へ

SPIKeでの体験を通して改めて感じたのは、けん玉には、実際に遊ぶ楽しさに加えて、長井の歴史やものづくり、地域の人々の活動へと興味を広げる入口としての魅力があるということです。
けん玉の歴史を知り、自分で挑戦し、技ができるようになる。さらに、地域の人から話を聞くことで、けん玉と長井のつながりも見えてきます。
インバウンド向けのコンテンツとして考えたときにも、言葉による説明だけでなく、身体を動かしながら楽しめることは大きな魅力です。
今回の体験では、どのような説明があると初めての人にも伝わりやすいのか、どんな流れなら参加しやすいのかなど、実際に体験することで見えてくる視点がありました。
地域に根づいた文化を、訪れる人が自分自身で楽しめる体験へとつなげていく。そのためのヒントを得られる時間となりました。
地域の魅力を、より多くの人に届けるために

この日は、時間いっぱいまで、なごみ庵とSPIKeのそれぞれで体験や意見交換を行いました。
今後は、今回の訪問で得られた気づきや課題などを専門家の皆さまに整理していただき、報告として共有いただく予定です。
また、終了後には「道の駅 川のみなと長井」にて、仙台観光国際協会、仙台市文化観光局の皆さまと意見交換を行いました。
仙台市の観光を取り巻く状況や、今後どのような取り組みができるのかなど、幅広いテーマについてお話しすることができました。
地域によって、観光の強みも課題も異なります。だからこそ、それぞれの地域の状況や取り組みを共有することで、新しい連携や可能性が生まれるのかもしれません。
今回の訪問は、長井市にある体験コンテンツを外部の専門家の視点から見つめ直すとともに、地域を越えて観光の可能性を考える機会にもなりました。
地域の魅力は、すでにそこにあるものを紹介するだけでなく、体験する人の視点を取り入れながら、少しずつ磨き上げていくもの。
これからも地域の方々と一緒に、長井ならではの魅力をより多くの方に届けられるよう、取り組みを進めていきます。
















