【南陽市・熊野大社】旅行会社に向けたインスペクションを行いました

アルカディア活動日誌

2026年6月4日(木)

海の京都DMOのJesse Efronさんと共に『熊野大社』にて旅行会社に向けたインスペクションを行いました。

熊野大社は、806年に平城天皇の勅命によって再建されたと伝えられ、日本三熊野の一つに数えられる由緒ある神社です。現在も「東北の伊勢」と呼ばれ、命の神様、そして縁結びの神様として多くの人に親しまれています。

今回は、神職の方に境内を案内していただきながら、熊野大社の歴史や見どころについてお話を伺いました。

日本で初めて結ばれた神様

熊野大社でお祀りされている熊野大神は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)のお名前でも知られています。

「イザナ」という言葉は「誘(いざな)う」に由来し、男女の愛を表す言葉なのだそうです。

神話の中で、伊弉諾尊と伊弉冉尊は日本で最初に結ばれた夫婦の神様。そこから、熊野大社は縁結びの神様としても信仰されています。

境内には縁結びにちなんだお守りもたくさん並んでいて、訪れる人のさまざまな「ご縁」への願いを感じることができます。

まず目を奪われる、立派な茅葺き屋根

境内を進んでいくと目に入るのが、堂々とした拝殿。

特に印象的なのが、その大きな茅葺き屋根です。

熊野大社の拝殿は、山形県内に現存する茅葺屋根建築の中でも古いものとされ、屋根の修復工事では天明7年(1787年)の墨書が発見されています。唐破風と千鳥破風を茅で葺くのは山形県独自の建築様式で、その中でも熊野大社の拝殿は最も古いものとされています。

長い年月を重ねてきた建物だからこそ感じられる、どこか静かで力強い存在感がありました。

「こんなことまで?」と思わせる熊野大社

今回、境内を案内していただいて感じたのは、熊野大社には「神社って、こんなこともするんだ」と思わせてくれる面白さがあること。

季節に合わせて境内の景色をつくったり、さまざまなお守りを用意したり。

この日も、拝殿へ続くお御坂には紫陽花がたくさん並べられていて、普段の神社とは少し違った華やかな雰囲気がありました。

歴史や格式を大切にしながらも、訪れる人が楽しめる仕掛けを取り入れている。

そんなところにも、熊野大社が多くの人に親しまれている理由があるのかもしれません。

そして、熊野大社といえば「三羽のうさぎ」

今回の案内で特に面白かったのが、本殿の裏側に隠された「三羽のうさぎ」です。

本宮の裏側にある彫刻には、三羽のうさぎが隠し彫りされています。

この三羽をすべて見つけると、良縁に恵まれ、願い事が叶うと言い伝えられているそうです。

ただし、ここには大事なルールがあります。

二羽までは教えてもらってもいいけれど、三羽目だけは人から教えてもらってはいけない。

(三羽目を教えた人も願いが叶わないとのこと。)

三羽目を自分の力で見つけることが大切なのだそうです。

そう聞いてしまうと、もう探さずにはいられません。

本殿の裏側をじっくり眺め、彫刻の一つひとつに目を凝らしながら、

「……これか?」

「いや、違うか?」

と、かなり必死になって探しました。

神社を訪れているはずなのに、気づけばちょっとした宝探し。

でも、こうして自分の目で探してみることで、普段なら見過ごしてしまうような彫刻や建物の細部までじっくり見ることができました。

ちなみに三羽のうさぎについては、熊野大社の公式サイトでも「本殿裏の彫刻に隠し彫りされている」と紹介されています。現在も、参拝者が自分で探せるよう案内されています。

もちろん、ここでは三羽目の場所は秘密です。

ぜひ実際に熊野大社を訪れて、自分の目で探してみてください。

入口から迎えてくれる、大鳥居

境内を巡ったあと、改めて大鳥居を見てみると、その大きさにも驚かされます。

この大鳥居は、御再建1200年の記念事業の一環として建立されたもの。

石造りの権現造りの鳥居としては、日本一の規模を誇るとされています。

境内の歴史ある社殿とはまた違う、どっしりとした存在感。

熊野大社の長い歴史を、訪れる人に最初に伝えてくれるような鳥居でした。

「縁結び」だけではない、熊野大社の魅力

今回、神職の方に案内していただきながら境内を歩いてみて、熊野大社は「縁結びの神社」という一言だけでは表せない場所だと感じました。

長い歴史を持つ社殿や文化財、日本神話に由来する神様のお話、季節ごとに変化する境内の景色。

そして、思わず夢中になってしまう三羽のうさぎ探し。

知識として説明を聞くだけではなく、実際に歩いて、見て、探してみることで、神社という場所が少し身近に感じられました。

観光で訪れる方にとっても、「お参りをする」だけではなく、境内を歩きながら熊野大社にまつわる物語を探してみる。

そんな楽しみ方もおすすめしたい場所です。

今回のインスペクションでは、歴史や文化を知ることはもちろん、「どうしたら訪れた人に、この場所をもっと楽しんでもらえるだろう?」という視点でも、たくさんのヒントをいただきました。

そして何より三羽目のうさぎを探すのは、思っていた以上に本気になります。

熊野大社を訪れた際には、ぜひ自分だけの「三羽目」を探してみてください。

 

■熊野大社
Instagram:kumanotaisha.official
〒992-0472
山形県南陽市宮内3707−1