2026年6月4日(木)
海の京都DMOのJesse Efronさんと共に『ながめやまバイオガス発電所』にて旅行会社に向けたインスペクションを行いました。
地域の資源が、エネルギーに変わる場所

飯豊町にある「ながめやまバイオガス発電所」を訪れ、東北おひさま発電株式会社の二瓶さんに施設をご案内いただきました。
飯豊町は、持続可能なまちづくりを進める「SDGs未来都市」に選定されています。
その取り組みのひとつが、地域の畜産や食品産業から生まれる資源を活用した「ながめやまバイオガス発電所」です。
ここでは、牛ふん尿や食品廃棄物などを発酵させ、そこから生まれるメタンガスを利用して発電しています。
さらに、発酵後に残るものも無駄にはしません。
電気をつくったあとに残るものまで、地域の中で再び活用していく。
まさに「循環」を体現する施設です。
牛ふんと食品残さから、エネルギーをつくる

まず見せていただいたのは、牛舎から原料が運ばれていく仕組み。
牛舎のピットにたまったふん尿は、設備の自動化によって効率よく回収され、原料槽へと運ばれます。
さらに、牛ふん尿だけではなく、副原料として食品工場などから出る動植物性残さも活用しています。
廃棄されるはずだった食品残さを、バイオガス発電の原料として利用することで、フードロスの削減にもつながっています。
牛ふん尿、食品残さ、消化液、洗浄水などを合わせて、メタン発酵槽へ。
その量は、なんと1日約51トンにもなるそうです。
そして発酵によって生まれたメタンガスを利用して、電気をつくります。
年間の発電量は約360万kWh。
数字だけ聞くと少し想像しづらいですが、普段なら廃棄物として扱われるものから、これだけのエネルギーが生み出されていることに驚きました。
発酵槽の中に見えた、ちょっと不思議な光景

施設を案内していただく中で、個人的に特に印象に残ったのが、メタン発酵槽を見るための小さな窓です。
直径15cmほどの窓から、発酵槽の内部を覗くことができます。

そこに見えたのは、なんとも不思議な光景。
まるで鍾乳洞の中を覗いているような、独特の雰囲気がありました。
普段は見ることのない「発酵している場所」を実際に目にすることで、資料や説明だけではなかなかイメージできなかった工程を、より身近に感じることができました。
発電したあとも、まだ終わらない

この施設の面白さは、電気をつくって終わりではないところにもあります。
メタン発酵を終えた液体は「消化液」と呼ばれ、臭気を低減したあと、固体と液体に分離されます。
固形分は牛舎の敷料として再利用。
年間約1,700トンが生産されます。
一方、液体は消化液貯留槽に貯められ、隣接するながめやま牧場で液肥として活用されています。
液肥の生産量は年間約14,500トン。
つまり、
牛ふん・食品残さ
↓
メタン発酵
↓
メタンガスから発電
↓
消化液・固形分
↓
液肥・敷料として再利用
↓
再び地域の農畜産へ
という循環が、この場所で実際につくられています。
「捨てる」のではなく、「次の資源へ変える」。
その考え方が、施設全体から伝わってきました。
飯豊町だからこそできる、地域の循環

ながめやまバイオガス発電所は、単に再生可能エネルギーを生み出す発電施設ではありません。
飯豊町の畜産という地域産業から生まれる牛ふん尿を活用し、さらに食品残さも受け入れる。
そこからエネルギーを生み出し、発酵後に残ったものも農業や畜産に戻していく。
地域にあるものを、地域の中で循環させる。
その仕組みを実際に目の前で見ることで、「持続可能なまちづくり」という言葉が、少し具体的なものとして感じられました。
今回の訪問では、普段何気なく「廃棄物」と呼んでいるものの中にも、まだ活かすことのできる資源があることを改めて知る機会となりました。
そして、こうした取り組みを実際に見て、仕組みを知ること自体が、これからの地域づくりを考えるきっかけにもなると感じました。
飯豊町の産業や環境、エネルギーについて、実際の施設を見ながら学ぶことができる場所。
観光地を巡るだけでは見えてこない、地域の「これから」にふれる時間になりそうです。
今回ご案内いただいた二瓶さん、貴重なお話と施設見学をありがとうございました。
やまがたアルカディア観光局では、現在「ながめやまバイオガス発電所」の施設見学・視察プランもご案内しています。
SDGs探求教育旅行プログラム
“SDGs未来都市” 飯豊町「ながめやまバイオガス発電所」視察プラン (選べる昼食付)
■ながめやまバイオガス発電所(東北おひさま発電株式会社)
〒999-0605
山形県西置賜郡飯豊町添川 袋谷3664-1
















