人とのつながりがまちの魅力を広げていく

「なにか楽しい」雰囲気と
場所をつくること
大都市圏とは違う、
人との関わり方

(一社)やまがたアルカディア観光局
 戦略会議委員
横山敬生

長井市の駅前通りで花店を経営し、まちづくり事業を手がける「俺たちの株式会社楽街」の取締役も務めている横山敬生さん。2020年の6月からやまがたアルカディア観光局(以下、アルカディア観光局)の理事、戦略会議メンバーとして活動している。

ーアルカディア観光局に入られた経緯は?

2019年10月に、駅前通りの長井中央商店街振興会の会長に着任しました。その直後に、アルカディア観光局で、長井、南陽、白鷹、飯豊からそれぞれ1名ずつメンバーを増員したいうという話があり、私に声がかかりました。長井市としては商店街エリアで商業に詳しい人を、という意図があったようです。理事として新たに加わり戦略会議のメンバーにもなっています。

ー現在の活動内容は?

戦略会議に参加して活動報告を聞いて意見したりしています。お土産の開発や、地域の特色を生かしたアクティビティ企画など9つのチームがあり、それぞれの動きがとても活発。月に1、2回、チームの企画経過や方向性を議論しますが、代前半から半ばくらいの方が多く、代の私から見ると考え方が柔軟に感じます。自分が生まれ育った街の魅力をどうやって磨き上げていこうか、という視点がすごく新しい。人ほどのメンバーが持ってくる企画や発する言葉には、その人の背景にある地域の特性がよく表れていて、同じ置賜でも、それぞれの市町で違いが出てくるのがいいなと思っています。

ー市街地で花店を営む立場から、見えてくるものはありますか?

まず、私はたまたま長井市に生まれ、花店の長男で跡を継いだわけですが「ここに生まれてよかったなあ」と思っています。花は人生の節目に寄り添ってくれるもので、気持ちを伝えるもの。お客さんと直接関わり、自分が手がけた品物で誰かを喜ばせることができる仕事は、嬉しいものです。
事業を引き継いで年になり、お客さんのニーズや希望に沿える店になってきました。花の量は多くないけれど、お客さん一人一人の顔や来店ペースを思い浮かべて仕入れる品種を決めたり、フラワースクールを開いて花を楽しむ機会を設けたりして、人とのつながりが持てる店です。フラワースクールは妻が主催していて、最初は7、8人だった参加者が年経って120人を超えるようになりました。「私がこんなに楽しいんだからあの人も連れて行きたい」という風に、生徒さんが増えていったんです。それと同じように、アルカディア地域が魅力を発信していけばそれに気付く人がいて、出会い、結びついて移住定住者が増えていくでしょう。その見通しを立てていくことが、アルカディア観光局が果たす役割だと考えています。

PROFILE

横山敬生(よこやま・たかお)

長井市出身。長井駅前通りのムスメヤ花店の三代目。「俺たちの株式会社楽街」の設立メンバーであり、「自分たちのまちは、自分たちで面白くする!」を信条に、住民が主役となって楽しめるまちづくりを目指している。